1
00:00:03,000 --> 00:00:06,000
アリサ(以下AV):これが全ての始まり
2
00:00:06,000 --> 00:00:08,000
私たちの第一子デクラン誕生の
3
00:00:08,000 --> 00:00:10,000
劇的な瞬間です
4
00:00:10,000 --> 00:00:12,000
素晴らしい体験は
5
00:00:12,000 --> 00:00:14,000
私たちの人生を変えました
6
00:00:14,000 --> 00:00:16,000
中には想定外のことも多くあり
7
00:00:16,000 --> 00:00:19,000
後にそれらを振り返ってみることで
8
00:00:19,000 --> 00:00:21,000
新たなビジネスが思いつきました
9
00:00:21,000 --> 00:00:23,000
そして1年後 親のためのウェブサイト
10
00:00:23,000 --> 00:00:25,000
Babbleを立ち上げたのです
11
00:00:25,000 --> 00:00:27,000
ルーファス(以下RG):この物語は
12
00:00:27,000 --> 00:00:30,000
その数年前に始まります (AV:確かに)
13
00:00:30,000 --> 00:00:33,000
覚えてるかな 僕らは恋に落ちたよね
14
00:00:33,000 --> 00:00:35,000
AV:そうね
15
00:00:35,000 --> 00:00:37,000
RG:当時は今とかなり異なるウェブサイト
16
00:00:37,000 --> 00:00:39,000
Nerve.comを運営していました
17
00:00:39,000 --> 00:00:42,000
キャッチフレーズは「洗練されたエロ本」
18
00:00:42,000 --> 00:00:45,000
性と文化を扱った 知的なオンラインマガジンを
19
00:00:45,000 --> 00:00:47,000
目指したもので 実際
20
00:00:47,000 --> 00:00:50,000
そのとおりのものでした
21
00:00:50,000 --> 00:00:53,000
AV:それがある出会い系サイトの元になりました
22
00:00:53,000 --> 00:00:55,000
冗談で「セックスで子供が生まれた」や
23
00:00:55,000 --> 00:00:58,000
「Nerveについて行ったらBabbleに着いた」など
24
00:00:58,000 --> 00:01:00,000
も言われました
25
00:01:00,000 --> 00:01:03,000
次は高齢者向けサイトを立ち上げるかもしれません
26
00:01:04,000 --> 00:01:07,000
RG:でも私たちにとって二つのサイトの共通項は
27
00:01:07,000 --> 00:01:09,000
単にライフステージだけではなく
28
00:01:09,000 --> 00:01:11,000
それも関係はあるのですが
29
00:01:11,000 --> 00:01:13,000
それよりも
30
00:01:13,000 --> 00:01:15,000
人が避けたがる話題こそ
31
00:01:15,000 --> 00:01:18,000
人々は率直に話し合いたいという強い願望を持っていることです
32
00:01:18,000 --> 00:01:20,000
思うに
33
00:01:20,000 --> 00:01:23,000
人が偽ったり 嘘をついたりし始める時こそ
34
00:01:23,000 --> 00:01:25,000
それは興味深い話題なのであり
35
00:01:25,000 --> 00:01:27,000
私たちはそんな話題を掘り下げたいのです
36
00:01:27,000 --> 00:01:29,000
驚いたことに
37
00:01:29,000 --> 00:01:32,000
性について存在する以上の数のタブーが
38
00:01:32,000 --> 00:01:34,000
子育てには存在するのです
39
00:01:34,000 --> 00:01:36,000
AV:申し上げた通り
40
00:01:36,000 --> 00:01:38,000
子育ての初期は本当に素晴らしかった一方
41
00:01:38,000 --> 00:01:40,000
本当に困難でもありました
42
00:01:40,000 --> 00:01:42,000
その苦労の一部は
43
00:01:42,000 --> 00:01:45,000
子育てに関する誤った宣伝のせいだと思うのです
44
00:01:45,000 --> 00:01:47,000
(笑い)
45
00:01:47,000 --> 00:01:50,000
多くの雑誌を購読し 下調べしたのですが
46
00:01:50,000 --> 00:01:53,000
見回すと周りに広がるのは このような光景ばかりだけでした
47
00:01:53,000 --> 00:01:55,000
こんな光景を期待して
48
00:01:55,000 --> 00:01:57,000
子育てを始めたのに…
49
00:01:57,000 --> 00:02:00,000
日の光がいつも差し込み 子供は決して泣きわめいたりせず
50
00:02:00,000 --> 00:02:03,000
常に髪型も完璧で いつも元気で
51
00:02:04,000 --> 00:02:06,000
しかし 現実はかけ離れていました
52
00:02:06,000 --> 00:02:09,000
RG:私たちが眺めていた こうした美しい写真を
53
00:02:09,000 --> 00:02:11,000
掲載した子育て雑誌を下に置き
54
00:02:11,000 --> 00:02:13,000
実際の我が家のリビングを眺めてみると
55
00:02:13,000 --> 00:02:15,000
むしろこんな感じでした
56
00:02:15,000 --> 00:02:17,000
うちの3人の息子です
57
00:02:17,000 --> 00:02:19,000
もちろん 常に泣き叫んではいませんが
58
00:02:19,000 --> 00:02:21,000
男の子が3人もいれば たいていの場合は
59
00:02:21,000 --> 00:02:23,000
少なくとも1人は 行儀よくせずに
60
00:02:23,000 --> 00:02:25,000
ぐずっているのです
61
00:02:25,000 --> 00:02:28,000
AV:期待と現実のギャップがどう生まれたのかお分かりでしょう
62
00:02:28,000 --> 00:02:31,000
私たちは 期待していたことが
63
00:02:31,000 --> 00:02:34,000
実際の体験とは何ら関連しないのだと気づき
64
00:02:34,000 --> 00:02:37,000
こうしたことを親たちに率直に伝えようと決めたのです
65
00:02:37,000 --> 00:02:40,000
あるがままの子育ての現実を
66
00:02:40,000 --> 00:02:43,000
理解してほしいと強く感じたのです
67
00:02:43,000 --> 00:02:45,000
RG:そこで今日 みなさんに
68
00:02:45,000 --> 00:02:48,000
子育ての4つのタブーをご紹介します
69
00:02:48,000 --> 00:02:50,000
もちろん 子育てでのタブーは
70
00:02:50,000 --> 00:02:52,000
もっとたくさんあるのですが
71
00:02:52,000 --> 00:02:54,000
私たちにとって個人的に特に重要な
72
00:02:54,000 --> 00:02:57,000
4つについて 今日はお話ししたいと思います
73
00:02:57,000 --> 00:03:00,000
まずは タブーひとつ目:
74
00:03:00,000 --> 00:03:03,000
誕生した瞬間に赤ん坊を愛さなかった とは
75
00:03:03,000 --> 00:03:05,000
言ってはいけません
76
00:03:05,000 --> 00:03:08,000
私は病院で待っていた時を鮮明に覚えています
77
00:03:08,000 --> 00:03:11,000
私たちは初めての子供を分娩する過程にありました
78
00:03:11,000 --> 00:03:13,000
「私たち」?「私」でしょ?
79
00:03:13,000 --> 00:03:15,000
ごめんなさい
80
00:03:15,000 --> 00:03:17,000
代名詞の誤用です
81
00:03:17,000 --> 00:03:19,000
アリサは寛大にも 第一子を
82
00:03:19,000 --> 00:03:21,000
分娩してくださっており (AV:どうも)
83
00:03:21,000 --> 00:03:23,000
私は相方として控えて
84
00:03:23,000 --> 00:03:25,000
誕生を待っていました
85
00:03:25,000 --> 00:03:27,000
すると珠のような赤ん坊を
86
00:03:27,000 --> 00:03:29,000
抱いた看護師がこちらに向かってきて
87
00:03:29,000 --> 00:03:31,000
その時 私は友人たちの言葉を
88
00:03:31,000 --> 00:03:34,000
思い返していました
89
00:03:34,000 --> 00:03:36,000
「赤ん坊を腕の中に抱いた瞬間
90
00:03:36,000 --> 00:03:39,000
それまでの人生で経験したどんなことよりも
91
00:03:39,000 --> 00:03:41,000
はるかに巨大な力をもって
92
00:03:41,000 --> 00:03:44,000
愛の感情が押し寄せてくるんだよ」と
93
00:03:44,000 --> 00:03:46,000
息をのんでその瞬間を待ちました
94
00:03:46,000 --> 00:03:48,000
赤ん坊はやってきていて
95
00:03:48,000 --> 00:03:50,000
私は愛が巨大なトラックのように
96
00:03:50,000 --> 00:03:53,000
込み上げるのを私は待っていた
97
00:03:53,000 --> 00:03:56,000
しかし 赤ん坊がこの腕に置かれた瞬間は
98
00:03:56,000 --> 00:03:58,000
驚くべきものでした
99
00:03:58,000 --> 00:04:01,000
この写真は赤ん坊を抱いたまさにほんの数秒後で
100
00:04:01,000 --> 00:04:04,000
私が彼を抱いてきて撮ったものなのですが
101
00:04:04,000 --> 00:04:06,000
ご覧の通り私たちの目は輝き
102
00:04:06,000 --> 00:04:09,000
私は妻への愛と愛着で心がいっぱいで
103
00:04:09,000 --> 00:04:11,000
健康な子を授かったことへの
104
00:04:11,000 --> 00:04:13,000
深い 深い感謝の思いで満ちあふれています
105
00:04:13,000 --> 00:04:15,000
それは現実と思えないほどでした
106
00:04:15,000 --> 00:04:17,000
念のために名札を確認したほどでした
107
00:04:17,000 --> 00:04:19,000
本当に自分たちの子なのか疑ってしまいました
108
00:04:19,000 --> 00:04:22,000
驚くべきことでした
109
00:04:22,000 --> 00:04:25,000
その時私が子供に対して感じたのは深い愛着でしたが それは
110
00:04:25,000 --> 00:04:28,000
5年経った今彼に抱いているのとは全く違うものです
111
00:04:28,000 --> 00:04:30,000
そこで 許されないことかもしれませんが
112
00:04:30,000 --> 00:04:32,000
わたしたちは
113
00:04:32,000 --> 00:04:35,000
子供への愛を時間軸で
114
00:04:35,000 --> 00:04:38,000
グラフ化してみました
115
00:04:38,000 --> 00:04:40,000
(笑い)
116
00:04:40,000 --> 00:04:43,000
お分かりの通り これはやってはいけないことで
117
00:04:43,000 --> 00:04:45,000
愛のグラフ化など許されません
118
00:04:45,000 --> 00:04:47,000
これが許されない理由は 愛が
119
00:04:47,000 --> 00:04:49,000
二項対立のものと考えられているからです
120
00:04:49,000 --> 00:04:51,000
恋に落ちているか 落ちていないか
121
00:04:51,000 --> 00:04:53,000
愛しているか 愛してないか
122
00:04:53,000 --> 00:04:56,000
現実的には 私は愛とはプロセスだと思います
123
00:04:56,000 --> 00:04:58,000
愛を二項対立図式で理解しようとすることの
124
00:04:58,000 --> 00:05:00,000
問題点は そうすると
125
00:05:00,000 --> 00:05:02,000
愛なんて欺瞞だとか
126
00:05:02,000 --> 00:05:04,000
不十分だとか そんなふうに
127
00:05:04,000 --> 00:05:07,000
わたしたちがむやみに思ってしまうことです
128
00:05:07,000 --> 00:05:10,000
ここでは当然父親の経験に基づき話しているわけですが
129
00:05:10,000 --> 00:05:12,000
思うにおそらく多くの男性が 多かれ少なかれ
130
00:05:12,000 --> 00:05:15,000
自身の情緒的反応が不十分だという思いを
131
00:05:15,000 --> 00:05:18,000
子育て初期の数ヶ月 あるいは初年に経験しているでしょう
132
00:05:18,000 --> 00:05:20,000
AV:この話題を取り上げてくれてありがたいです
133
00:05:20,000 --> 00:05:23,000
初年で彼の愛が下降しているのがおわかりでしょう
134
00:05:23,000 --> 00:05:26,000
わたしが育児の殆どを担っていたのに
135
00:05:26,000 --> 00:05:28,000
よく冗談で 子供の生後数ヶ月間は
136
00:05:28,000 --> 00:05:30,000
彼は叔父なんだ と
137
00:05:30,000 --> 00:05:32,000
言ったりします
138
00:05:32,000 --> 00:05:34,000
(笑い)
139
00:05:34,000 --> 00:05:36,000
RG:私は叔父にしては 実に愛情深いと思うよ
140
00:05:36,000 --> 00:05:39,000
AV:そうね あと彼が帰宅すると よく
141
00:05:39,000 --> 00:05:42,000
息子を他の子と並べたら見分けがつかないんじゃないの なんて
142
00:05:42,000 --> 00:05:44,000
冗談を言っていたので
143
00:05:44,000 --> 00:05:46,000
実際にルーファスにクイズを出してみましょう
144
00:05:46,000 --> 00:05:48,000
RG:なんだって!?
145
00:05:48,000 --> 00:05:51,000
AV:恥をかかせたくはありませんが 制限時間は3秒です
146
00:05:51,000 --> 00:05:54,000
RG:ずるいな 引っかけ問題だ どれも我が子じゃないんだろう?
147
00:05:54,000 --> 00:05:57,000
AV:いいえ 生後8週間の息子がいるわよ
148
00:05:57,000 --> 00:05:59,000
彼は素早く息子を見分けられるでしょうか
149
00:05:59,000 --> 00:06:01,000
RG:一番左だ(AV:違うわよ!)
150
00:06:01,000 --> 00:06:08,000
(笑い)
151
00:06:08,000 --> 00:06:10,000
RG:ひどいなぁ
152
00:06:10,000 --> 00:06:12,000
AV:何も言えないわ
153
00:06:12,000 --> 00:06:14,000
(笑い)
154
00:06:14,000 --> 00:06:16,000
2つ目のタブーに移りましょう
155
00:06:16,000 --> 00:06:19,000
子育てがどんなに孤独かを打ち明けてはいけません
156
00:06:19,000 --> 00:06:21,000
妊娠中は楽しかったのです
157
00:06:21,000 --> 00:06:24,000
周りのコミュニティーとの繋がりを強く感じ
158
00:06:24,000 --> 00:06:27,000
周りの皆が 私の妊娠を共有してくれていると感じました
159
00:06:27,000 --> 00:06:30,000
予定日が近づいてくると 自分を
160
00:06:31,000 --> 00:06:34,000
慈愛の未来を乗せた船のように感じたのです
161
00:06:34,000 --> 00:06:37,000
それは入院中まで続き 私はウキウキしていました
162
00:06:37,000 --> 00:06:40,000
多くの来客があり贈り物や花をいただいたり
163
00:06:40,000 --> 00:06:43,000
本当に素晴らしい体験でした
164
00:06:43,000 --> 00:06:45,000
しかし帰宅すると
165
00:06:45,000 --> 00:06:47,000
突然 切り離された気持ちになりました
166
00:06:47,000 --> 00:06:50,000
閉じ込められ 除外された気持ち
167
00:06:50,000 --> 00:06:52,000
またそうした感覚に驚きました
168
00:06:52,000 --> 00:06:54,000
夜も眠れず 休みなく授乳するのは
169
00:06:54,000 --> 00:06:56,000
覚悟していたのです でも
170
00:06:56,000 --> 00:06:58,000
私が経験した孤独や寂しさは
171
00:06:58,000 --> 00:07:01,000
予想もしないものでした
172
00:07:01,000 --> 00:07:03,000
同時に こんな気持ちになるのだと
173
00:07:03,000 --> 00:07:05,000
誰も教えてくれなかった事実に驚き
174
00:07:05,000 --> 00:07:07,000
姉に電話しました
175
00:07:07,000 --> 00:07:10,000
3人の子持ちの彼女とは仲が良く
176
00:07:10,000 --> 00:07:12,000
こう尋ねました「どうしてこんなふうに
177
00:07:12,000 --> 00:07:14,000
とてつもなく孤独に感じることを
178
00:07:14,000 --> 00:07:17,000
こんな感情を抱くことを教えてくれなかったの?」と
179
00:07:18,000 --> 00:07:20,000
忘れもしません 彼女はこう答えました
180
00:07:20,000 --> 00:07:22,000
「とにかくそれは 初めて子を持つ母親に
181
00:07:22,000 --> 00:07:25,000
言いたいことじゃないのよ」
182
00:07:25,000 --> 00:07:27,000
RG:もちろん私たちは
183
00:07:27,000 --> 00:07:30,000
これがまさに 初めて子を持つ母親達に
184
00:07:30,000 --> 00:07:33,000
伝えるべきことだと考えます
185
00:07:33,000 --> 00:07:36,000
また これは私たちのテーマのひとつで
186
00:07:36,000 --> 00:07:38,000
率直で
187
00:07:38,000 --> 00:07:40,000
残酷な本音こそ 私たち皆が
188
00:07:40,000 --> 00:07:42,000
良い親であるために必要な
189
00:07:42,000 --> 00:07:44,000
ものだと考えます
190
00:07:44,000 --> 00:07:46,000
またこうした孤独感を
191
00:07:46,000 --> 00:07:48,000
引き起こす要因の一部は 現代社会にあると
192
00:07:48,000 --> 00:07:50,000
考えられます
193
00:07:50,000 --> 00:07:52,000
アリサ一人の経験ではないのです
194
00:07:52,000 --> 00:07:54,000
調査によると 58%の母親が
195
00:07:54,000 --> 00:07:56,000
孤独感を感じています
196
00:07:56,000 --> 00:07:58,000
そのうちの67%が 最も寂しい時期は
197
00:07:58,000 --> 00:08:01,000
子供が0〜5歳の時だと答えています 特に0〜2歳でしょう
198
00:08:01,000 --> 00:08:03,000
今日の準備を進めるなかで
199
00:08:03,000 --> 00:08:05,000
世界の他の文化圏では この時期をどう乗り切るのか
200
00:08:05,000 --> 00:08:08,000
ということを調べました
201
00:08:08,000 --> 00:08:10,000
なぜならここ西洋では
202
00:08:10,000 --> 00:08:13,000
親戚の近くに住む人の割合は50%以下で
203
00:08:13,000 --> 00:08:16,000
それが この時期が困難になる理由だと思うのです
204
00:08:16,000 --> 00:08:18,000
そこでひとつの例を挙げてみましょう
205
00:08:18,000 --> 00:08:20,000
南インドには
206
00:08:20,000 --> 00:08:22,000
ジョラビハリという風習があり
207
00:08:22,000 --> 00:08:25,000
女性は 妊娠7〜8ヶ月目を迎えると
208
00:08:25,000 --> 00:08:27,000
母親の元へ里帰りし
209
00:08:27,000 --> 00:08:29,000
一連の儀式や祭儀を行ってから出産をし
210
00:08:29,000 --> 00:08:32,000
生後数ヵ月経ってから
211
00:08:32,000 --> 00:08:34,000
核家族のもとへ戻るのです
212
00:08:34,000 --> 00:08:36,000
これが他の文化圏での
213
00:08:36,000 --> 00:08:39,000
子育ての孤独を回避する多くの方法の一つです
214
00:08:39,000 --> 00:08:41,000
AV:では 3つ目のタブーです
215
00:08:41,000 --> 00:08:44,000
流産について話してはいけない でも今日は私の経験をお話します
216
00:08:44,000 --> 00:08:46,000
デクランをもうけた後
217
00:08:46,000 --> 00:08:48,000
自分たちの期待値を計り直しました
218
00:08:48,000 --> 00:08:51,000
再度同じことをやりきれるだろうと思ったし
219
00:08:51,000 --> 00:08:54,000
立ちはだかる壁ももう分かっていました
220
00:08:54,000 --> 00:08:57,000
そして嬉しいことにまた妊娠することができて
221
00:08:57,000 --> 00:08:59,000
それが男の子だということもすぐに知りました
222
00:08:59,000 --> 00:09:01,000
すると妊娠5ヶ月の時
223
00:09:01,000 --> 00:09:03,000
流産したことが発覚しました
224
00:09:03,000 --> 00:09:06,000
これが 最後に撮った彼の画像です
225
00:09:07,000 --> 00:09:09,000
当然 非常に苦しい時期でした
226
00:09:09,000 --> 00:09:12,000
とても辛かった
227
00:09:12,000 --> 00:09:15,000
この悲嘆の時期を乗り越えている間
228
00:09:15,000 --> 00:09:18,000
驚くことに 誰にも会いたくありませんでした
229
00:09:18,000 --> 00:09:21,000
本当に 穴に閉じこもりたくて
230
00:09:21,000 --> 00:09:23,000
そしてどうやって周囲のコミュニティーに
231
00:09:23,000 --> 00:09:26,000
また復帰すれば良いのか分からなかったのです
232
00:09:26,000 --> 00:09:29,000
そして気づきました そういう私の思いは
233
00:09:29,000 --> 00:09:31,000
非常に深い生理的なもので
234
00:09:31,000 --> 00:09:34,000
ある意味遺伝子的にできて当然の
235
00:09:34,000 --> 00:09:36,000
出産に失敗したのだという
236
00:09:36,000 --> 00:09:38,000
とてもみじめな気持ち
237
00:09:38,000 --> 00:09:41,000
むしろ羞恥心を強く抱いていました
238
00:09:41,000 --> 00:09:43,000
また もしもう子供を産めないとしたら
239
00:09:43,000 --> 00:09:45,000
私たちの結婚は そして
240
00:09:45,000 --> 00:09:47,000
女性として自分は どうなってしまうか
241
00:09:47,000 --> 00:09:49,000
と 問いました
242
00:09:49,000 --> 00:09:51,000
本当に辛い時期でした
243
00:09:51,000 --> 00:09:53,000
悲しみを乗り越えていく中で
244
00:09:53,000 --> 00:09:56,000
やっと穴から抜け出し 人とも話すようになりました
245
00:09:56,000 --> 00:09:58,000
すると そこで
246
00:09:58,000 --> 00:10:00,000
耳にする数々の話に驚いたのです
247
00:10:00,000 --> 00:10:02,000
日ごろ関わっている人たち
248
00:10:02,000 --> 00:10:04,000
例えば同僚 友人
249
00:10:04,000 --> 00:10:06,000
そして長年知っている親戚ですら
250
00:10:06,000 --> 00:10:08,000
私に彼らの話をしたことがなかったのです
251
00:10:08,000 --> 00:10:11,000
こういった話が 突然どこからともなく次々に現れたように感じて
252
00:10:11,000 --> 00:10:13,000
とある隠された女性社会に
253
00:10:13,000 --> 00:10:16,000
ふと遭遇し その一員になったかのような気がしました
254
00:10:16,000 --> 00:10:19,000
それは安心と気遣いを与えてくれる場でした
255
00:10:20,000 --> 00:10:22,000
思うに
256
00:10:22,000 --> 00:10:24,000
流産は目に見えない喪失です
257
00:10:24,000 --> 00:10:26,000
援助をしてくれるところもあまりありません
258
00:10:26,000 --> 00:10:28,000
儀式や典礼は
259
00:10:28,000 --> 00:10:30,000
ないのです
260
00:10:30,000 --> 00:10:33,000
死者の場合は葬式があって その人生が讃えられて
261
00:10:33,000 --> 00:10:35,000
周囲の支えもたくさんもあります
262
00:10:35,000 --> 00:10:37,000
女性の流産には それがないのです
263
00:10:37,000 --> 00:10:39,000
RG:当然 流産は酷いことです
264
00:10:39,000 --> 00:10:41,000
一般的で 精神的に大きな傷を残します
265
00:10:41,000 --> 00:10:44,000
妊娠の15〜20%は流産に終わります
266
00:10:44,000 --> 00:10:46,000
これは驚くべき割合です
267
00:10:46,000 --> 00:10:48,000
ある調査によると 74%の女性が
268
00:10:48,000 --> 00:10:51,000
流産の原因の一部は自分にあると感じています ひどいことです
269
00:10:51,000 --> 00:10:53,000
さらに 22%の女性が
270
00:10:53,000 --> 00:10:55,000
配偶者にも流産を秘密にするそうです
271
00:10:55,000 --> 00:10:57,000
では タブー4つ目です
272
00:10:57,000 --> 00:11:00,000
子ができたら幸せの水準が下がった
273
00:11:00,000 --> 00:11:03,000
などと言ってはいけません
274
00:11:03,000 --> 00:11:06,000
家族を持ち 子を授かるという奇跡に巡り会った途端
275
00:11:06,000 --> 00:11:08,000
人生が あらゆる側面で
276
00:11:08,000 --> 00:11:10,000
劇的に好転した
277
00:11:10,000 --> 00:11:13,000
と言うのがお約束なのです
278
00:11:14,000 --> 00:11:17,000
今も鮮明に覚えている 忘れられない瞬間があって
279
00:11:17,000 --> 00:11:20,000
その時第一子のデクランは生後9カ月で
280
00:11:20,000 --> 00:11:22,000
私はソファに座り
281
00:11:22,000 --> 00:11:25,000
ダニエル・ギルバートの『幸せはいつもちょっと先にある』を読んでいました
282
00:11:25,000 --> 00:11:27,000
本の3分の2ぐらいにさしかかった時
283
00:11:27,000 --> 00:11:30,000
右手側 つまり右側のページに
284
00:11:30,000 --> 00:11:32,000
グラフがありました
285
00:11:32,000 --> 00:11:34,000
これです
286
00:11:34,000 --> 00:11:36,000
『新米の親にとって 想像し得る
287
00:11:36,000 --> 00:11:38,000
最も恐ろしいグラフ』
288
00:11:38,000 --> 00:11:41,000
このグラフは 全く独立した4つの研究で構成されていて
289
00:11:41,000 --> 00:11:44,000
基本的に 結婚満足度には崖のような
290
00:11:44,000 --> 00:11:46,000
急降下が見られ
291
00:11:46,000 --> 00:11:49,000
お分かりのように これはより広義の幸せと密接に連動していて
292
00:11:49,000 --> 00:11:51,000
第一子が大学に進学するまで
293
00:11:51,000 --> 00:11:54,000
上昇することはありません
294
00:11:54,000 --> 00:11:57,000
こうして私は 来る20年間の人生 つまりこれから
295
00:11:57,000 --> 00:11:59,000
まっさかさまに突っ込んでいく
296
00:11:59,000 --> 00:12:02,000
幸福の谷底を眺めていたのです
297
00:12:02,000 --> 00:12:05,000
落胆しました
298
00:12:05,000 --> 00:12:07,000
AV:最初の大変だった数カ月を何とかして
299
00:12:07,000 --> 00:12:09,000
切り抜けたというのに
300
00:12:09,000 --> 00:12:11,000
この研究には大変ショックを受けました
301
00:12:11,000 --> 00:12:14,000
そこで 希望の光を見いだすために
302
00:12:14,000 --> 00:12:16,000
もっと深く掘り下げてみたかったのです
303
00:12:16,000 --> 00:12:18,000
RG:親向けウェブサイトを運営していたため
304
00:12:18,000 --> 00:12:21,000
素晴らしい記者がいて
305
00:12:21,000 --> 00:12:24,000
先の4つの研究を指揮した科学者に
306
00:12:24,000 --> 00:12:26,000
インタビューしてもらえました
307
00:12:26,000 --> 00:12:28,000
私たちは この研究はどこかおかしい
308
00:12:28,000 --> 00:12:30,000
何か要素が欠けているはずだ と主張しました
309
00:12:30,000 --> 00:12:33,000
結果がこんな酷いはずないですから
310
00:12:34,000 --> 00:12:37,000
そこでリズ・ミッチェルは尽力してくれ
311
00:12:37,000 --> 00:12:40,000
4人の研究者とダニエル・ギルバートに
312
00:12:40,000 --> 00:12:42,000
インタビューをしてくれたのです
313
00:12:42,000 --> 00:12:44,000
実際に 希望の光は見つかりました
314
00:12:44,000 --> 00:12:46,000
これが 私たちが予想する
315
00:12:46,000 --> 00:12:49,000
幸福の平均値の基準線が人生を通して
316
00:12:49,000 --> 00:12:51,000
描く形です しかしもちろん
317
00:12:51,000 --> 00:12:53,000
幸福の平均値はひとつひとつの経験を
318
00:12:53,000 --> 00:12:55,000
反映しないので
319
00:12:55,000 --> 00:12:57,000
不十分な数値と言えるでしょう
320
00:12:57,000 --> 00:13:00,000
従って ひとつひとつの経験を
321
00:13:00,000 --> 00:13:02,000
織り込めば
322
00:13:02,000 --> 00:13:05,000
このような形になります
323
00:13:05,000 --> 00:13:07,000
子どもの頃を思い出してみると
324
00:13:07,000 --> 00:13:10,000
自分の子供の顔にも現れますが ものすごく小さな
325
00:13:10,000 --> 00:13:12,000
本当に些細な事柄で
326
00:13:12,000 --> 00:13:14,000
天にも昇るような喜びを
327
00:13:14,000 --> 00:13:16,000
もたらしてくれる一方
328
00:13:16,000 --> 00:13:18,000
次のほんの些細な出来事によって
329
00:13:18,000 --> 00:13:20,000
絶望の縁に突き落とされてしまうのです
330
00:13:20,000 --> 00:13:23,000
見ていて驚きますし 自身の経験としても覚えていますよね
331
00:13:23,000 --> 00:13:25,000
ところが 歳をとるにつれて
332
00:13:25,000 --> 00:13:27,000
まるでリチウムのように
333
00:13:27,000 --> 00:13:30,000
だんだんと安定してきます
334
00:13:30,000 --> 00:13:33,000
20〜30代に起こる現象の一部は おそらく
335
00:13:33,000 --> 00:13:35,000
幸福に保険をかけることを覚えることです
336
00:13:35,000 --> 00:13:37,000
気づくのです
337
00:13:37,000 --> 00:13:40,000
「そうだ 音楽の生ライブに行って
338
00:13:40,000 --> 00:13:42,000
全身に鳥肌が立つような
339
00:13:42,000 --> 00:13:45,000
すばらしい体験をしてこよう
340
00:13:45,000 --> 00:13:47,000
でもきっと人混みでぎゅうぎゅうだろうし
341
00:13:47,000 --> 00:13:50,000
ビールも買えないんだろうな
342
00:13:50,000 --> 00:13:52,000
やめよう
343
00:13:52,000 --> 00:13:55,000
家に良いステレオもあるし 行かなくていいや」と
344
00:13:55,000 --> 00:13:58,000
そうして幸福の水準は上がるものの
345
00:13:58,000 --> 00:14:00,000
瞬間的なすばらしい経験は逃すのです
346
00:14:00,000 --> 00:14:03,000
AV:そうして第一子をもうけると
347
00:14:03,000 --> 00:14:05,000
こういった高揚や落胆を再び
348
00:14:05,000 --> 00:14:07,000
甘んじて受けるのです
349
00:14:07,000 --> 00:14:10,000
高揚は 子供の初めての一歩 初めての笑顔
350
00:14:10,000 --> 00:14:12,000
自分に初めて本を読んでみせる時
351
00:14:12,000 --> 00:14:15,000
落胆は 毎晩6〜7時には一家で就寝することなどです
352
00:14:17,000 --> 00:14:19,000
しかしその中で 自分がすばらしい意味で
353
00:14:19,000 --> 00:14:22,000
再びハメを外すようになっていると気づきます
354
00:14:22,000 --> 00:14:24,000
これは 私たちの人生に大きな意味を
355
00:14:24,000 --> 00:14:26,000
そして喜びを もたらしてくれます
356
00:14:26,000 --> 00:14:28,000
RG:それは
357
00:14:28,000 --> 00:14:30,000
幸福の平均値と引き換えで
358
00:14:30,000 --> 00:14:32,000
ある程度の満足感を維持することの
359
00:14:32,000 --> 00:14:34,000
保証や安心感と引き換えに
360
00:14:34,000 --> 00:14:37,000
これらの素晴らしい瞬間を得るのです
361
00:14:37,000 --> 00:14:39,000
では 3人の男の子を抱える
362
00:14:39,000 --> 00:14:41,000
私たちは どうすればいいのでしょう?
363
00:14:41,000 --> 00:14:43,000
私たちの場合
364
00:14:43,000 --> 00:14:45,000
もう一つ要素があります
365
00:14:45,000 --> 00:14:47,000
私たちはさらにもう一つタブーを
366
00:14:47,000 --> 00:14:49,000
犯しました
367
00:14:49,000 --> 00:14:52,000
おまけのタブーです
368
00:14:52,000 --> 00:14:55,000
AV:私たちは一緒に働いてはいけない 特に3人の子持ちでは
369
00:14:55,000 --> 00:14:57,000
というタブーですが 実際
370
00:14:57,000 --> 00:14:59,000
私たちは働いています
371
00:14:59,000 --> 00:15:02,000
RG:仕事の準備段階から すでに逆風に遭いました
372
00:15:02,000 --> 00:15:05,000
配偶者とは絶対に働かない方が良いと考えていて
373
00:15:05,000 --> 00:15:08,000
実際 Babbleの資金集めにベンチャー・キャピタルへ赴いた際も
374
00:15:08,000 --> 00:15:10,000
彼らに言われました
375
00:15:10,000 --> 00:15:12,000
「夫婦で始めた企業には
376
00:15:12,000 --> 00:15:14,000
投資しないことにしてるんですよ
377
00:15:14,000 --> 00:15:16,000
失敗する確率が高いから
378
00:15:16,000 --> 00:15:18,000
やめて忘れなさい」と
379
00:15:18,000 --> 00:15:20,000
でも私たちは 実際に前に進みました
380
00:15:20,000 --> 00:15:23,000
儲けを生むことができたし 本当にうれしいです
381
00:15:23,000 --> 00:15:25,000
人生のこの時期というのは
382
00:15:25,000 --> 00:15:28,000
とにかく時間が貴重ですから
383
00:15:28,000 --> 00:15:31,000
そして毎日の営みに本当に情熱を燃やすことができていて
384
00:15:31,000 --> 00:15:33,000
二人の関係にも情熱をもっているのならば
385
00:15:33,000 --> 00:15:36,000
成功の方法はこれしかないでしょう
386
00:15:36,000 --> 00:15:38,000
では 最後にお聞きしたいのですが
387
00:15:38,000 --> 00:15:41,000
皆の幸福水準を上昇させることはできるしょうか?
388
00:15:41,000 --> 00:15:44,000
超絶的な喜びの瞬間があるのはすばらしいことですが
389
00:15:44,000 --> 00:15:47,000
たいてい一瞬で過ぎてしまいます
390
00:15:47,000 --> 00:15:50,000
そこで幸福の平均的水準はどうでしょう
391
00:15:50,000 --> 00:15:52,000
少々上げることはできるでしょうか?
392
00:15:52,000 --> 00:15:55,000
AV:先ほどお話ししたように 思うにこの幸福の落差を生むのは
393
00:15:55,000 --> 00:15:57,000
誤った期待を抱いて 子育て
394
00:15:57,000 --> 00:15:59,000
あるいはあらゆる長期の人間関係に
395
00:15:59,000 --> 00:16:01,000
足を踏み入れることでしょう
396
00:16:01,000 --> 00:16:04,000
もし正しい期待を抱き 期待の制御を行うことができれば
397
00:16:04,000 --> 00:16:07,000
子育ては非常に楽しい経験になると思うのです
398
00:16:07,000 --> 00:16:09,000
RG:わたしたちの場合も
399
00:16:09,000 --> 00:16:11,000
当てはまりますが
400
00:16:11,000 --> 00:16:13,000
多くの親にとって 子育てはこんな感じでしょう
401
00:16:13,000 --> 00:16:16,000
ヨーロッパ旅行に向けて荷づくりし とてもウキウキしていたのに
402
00:16:16,000 --> 00:16:18,000
飛行機を降りてみると
403
00:16:18,000 --> 00:16:20,000
そこはネパールだった
404
00:16:20,000 --> 00:16:23,000
もし適切な荷造りをし 何をするか分かっていて
405
00:16:23,000 --> 00:16:25,000
はり切っていれば ネパール旅行は
406
00:16:25,000 --> 00:16:27,000
素晴らしい経験になるでしょう
407
00:16:27,000 --> 00:16:29,000
従って今日お伝えしたかったことは
408
00:16:29,000 --> 00:16:32,000
ただ単に真実を話せばそれで良いというのではなく
409
00:16:32,000 --> 00:16:35,000
こういった経験についてもっと正直かつ率直に話をすることで
410
00:16:35,000 --> 00:16:37,000
皆で集合的に幸福水準を
411
00:16:37,000 --> 00:16:40,000
上げることが きっとできるということです
412
00:16:40,000 --> 00:16:42,000
RGとAV:ありがとう
413
00:16:42,000 --> 00:16:47,000
(拍手)